2013/11/03

絶対マネをしてはいけない。。。

絶対とまでは申しませんが、素人が手を出すと痛い目にあうっていうか、

痛い感じになる仕立て上がりのご紹介です。

本来、絵画や陶器、音楽といった芸術の領域において、

いいモノを知り学ぶことでニセモノを見破ったり

レベルの低いモノを判別する能力が備わったりなんてこと、

小耳に挟んだりしますが、

本日はそれでも手を出さないほうが懸命な

長年に渡り築き上げてきた独自の審美眼をお持ちのお客様の

素人がマネをしてはいけない出来上がりをご覧にいれようかと思うK玉ですが、

皆さんいかがお過ごしでしょうか?











弊店オリジナルバンチよりお選びいただいた別注ハリスツイード。

スコットランド北西部、アウター・へブリーズ群島北部に位置する

ハリス島産の純正ホームスパンである。

いま尚、服飾好きの心を揺さぶるものづくりの伝統が生きる島。

グリーン×クリームのウインドペン、ざっくりとした肉厚が持ち味です。

本来、防寒用コートや替え上着を中心にご注文が入る

素朴な味わいが魅力の生地なんだけど、

こちらの御仁、赤たん店主、西山氏はスーツでオーダーと掟破り、

ただでさえ肉厚、パンツの脇美錠の作成に職人さんが悲鳴を上げたそうだ。











ゴリゴリのツイードでスーツをオーダーする御仁はたまにいるんだけど、

どちらかというとセパレートに着こなす目的でのオーダーが中心です。

が、しかーし、この御仁は油断できない確信犯ゆえ、

間違いなくスーツで着用をたくらんでいるはず。

ただの通勤10分のためにその日の衣装を映画俳優のように体現、

誰もがマネできない究極のカッコよさでしょうか。

貫禄を生む太いラペル、脇美錠の利いたベルトレススタイルのパンツといい、

クラシックな細部へのアテンションを払いつつもさり気なく、

無地よりも遊びのあるチェックや柄物を前合わせはダブルで着こなす、

時流を超越したスーツスタイルの完成です。

お待たせしました。

← 絶対マネをしてはいけない!!!(苦笑)























T様  DRAPERS <Italy> LOLLI SUGGESTIONS W100%


イタリアが誇る名門マーチャント、ドラッパーズ。

英国やイタリアの優良ミルとのお付き合いで

単一ミルではだせない多彩な色柄やトレンドを意識したコレクションに

脱帽でございます、合掌。

この超大柄のツイード生地はスコットランド製、

ドラッパーズ社の社長、ローリ氏がおすすめするコレクション。

絶対マネをしてはいけない理由は、

170センチ以下の御仁には柄が二柄しか入らないのだ、

同じ価格でなんだかもったいない気分になるわけだ。

T様は180センチオーバーの堂々たる体躯。

とはいえ、お好きな御仁は色違いもご用意しておりますので

この旬な生地でトライしてみては如何でしょうか。

← さすが業界の重鎮、ローリ社長の審美眼ですよね。

お待たせしました。













M様  DOMESTIC 80/2×50/1 Co100%


お召しのスーツのフォルムからも独自の審美眼でもって

着こなしを楽しんでいるのは初来店のM様。

納得のいくシャツがなく、好みの仕様と柄のシャツを求めてご来店いただいた。

菱形のジャガードが楽しい織り柄の白を

ドゥエボットー二のワイドスプレッドカラー、ダブルカフとてんこ盛り、

黒とはひと味違うチャコールグレーのボタンでM様流のフォーマル。

止めはスナップダウンの仕様で完全M様ワールド、

楽しそうにオーダーいただきました、ありがとうございます。

やはりここで絶対マネをしてはいけない理由っていうか、

単にクールビズ的な単品シャツでの着こなしをしないようにしないといけない。

よく似た安い作りのへんてこりんなシャツが世の中に出回っているからだ。

完璧に着こなさないと間違えられたら元も子もない仕立て上がり。

本来ならオーダーのテクニックをてんこ盛りしてるんだけど。。。

M様の独自の審美眼は十分理解した上でのご紹介ゆえ、

悪気は全くもってないK玉です、悪しからず。

お待たせしました。











以上、本日のきもち斜に構えたK玉目線、いかがでしたか?

今日ご紹介の仕立て上がりには明快な着手の意思が反映されているのは

おわかりいただけることと思われます。

着こなしの細部にいたるまでが彼らの人生観なわけだ。

つまりは着こなしのスタイルをもっているからこそ出来る技だということ。

絶対にマネをしてはいけませんとまではいいませんが、

自身のスタイルを確立することが肝心要といえましょう。

それではこのへんでチャオス☆ !