2010/11/04

DOPPIO PETTO

ドッピオ・ペット。何のこっちゃ?




答えはダブルブレスト





























スーツ、ジャケット、コート等の両前のことである。

アパレルメーカーは、昨今の低調を何とか打開し、

需要を探るべくダブルの上衣を提案し始めて数年が経つが、

業界人を除いて未だ浸透していない。

弊店においても、数倍の注文を受けている計算になるが

モトの分母がゼロに近かったから数は察して知るべし。




服の歴史は、人々のライフスタイルと共にカジュアル化の歴史を辿っている。

フォーマルウェア然り、スーツ然り。スーツがカジュアル化するとどうなるか。

芯地を極力減らす。

綿や麻やストレッチ素材になる。

ノータイや合わせるシューズがカジュアルな物になり、コーディネートが軽くなる。 

が、 手抜きとは違う。



趣味である着物を除き、勤務先の暗黙のドレスコードがあるから

何でも着るわけにはいかないのが正直なトコだろう。もし許される環境にあるのなら、

思い切ってシフトチェンジしてみてはいかがだろうか。

スーツにおけるカジュアル化を四苦八苦しながら実践するくらいなら

ジャケットにシフトと言う手もある。






























仕事着として許される範囲は広くはないと思うが、

紺・茶・ベージュ・ブルー等のジャケットが幅広いコーディネイトを約束する。

なかでも最右翼と目されるのが、ダブルブレストのジャケットだ。

これもベイシックな紺から大胆なチェックまで、今年こそと提案花盛りである。

元来、重厚なイメージがあるダブルにこそちょっと抜けた合わせが効果的だ。

オンではセオリー通りのグレーのパンツを、

オフではジーンズや白の綿パンを。

ネクタイがなくてもだらしなくないのがジャケットの強み。


着る物なんか、かまっていられない。

色々とご意見もありましょうが、元気な人の服にパワーを感じるのは気のせいか、如何。






月刊 はかた   「スーツのはなし」  VOL・119 (弊社代表著) より