人のための装うということ。
礼節を重んじ、相手に対して敬意を表すること。
K玉が洋服の仕事を始めてから聞き伝えられてきた
ジェントルマンの在り方、弊店の店名の由来でもある。
ファッションを楽しむことを否定しているわけではない。
むしろ楽しむことはウェルカム、
何を着ても自由なのにはクエスチョンではございますが、
ビジネスの現場や公共性のある場での社会的制約っていうか、
人のために装うこと、
礼服なんてのが一番わかりやすいかもですが、
自分が何者であるか、そのスタイルを発信しつつ、
今日会う相手にリスペクト、
弊店のお客様の一流の流儀を垣間見たK玉ですが、
皆さんいかがお過ごしでしょうか?
とりあえず、本日の仕立て上がりをご覧いただければ、
K玉の言わんとすることがわかるんじゃないかと思われます。
雑誌で紹介されたブランドスーツに群がり、
今年の流行に気を盗られ、
人より目立つようにとベストドレッサー、
お好きにどうぞ。
何を着るかよりも、どう振る舞うかがジェントルマンを作る。
そんな大袈裟なことは申しませんが、
弊店のお客様は廻りの人のことを考えているのだなと
きもち誇らしく思った今日この頃です。
控え目に勝るものはなしと本日の一言、
とはいえ、ウェル・ドレッサーではありたいと思うK玉です。
それではこのへんでチャオス☆ !
おまけ: 本日も仕立て上がり。
O様 LORO・PIANA <Italy> WINTER TASMANIAN S150’S
スーツの定番素材のバーズアイ、和名で鳥目織りの
打ち込みのしっかりとした合服地、
各社必ずコレクションに入っている王道素材ではございますが、
やはりこの二重織りのロロのウインター・タスマニアン、
光沢といい風合いといい別格でしょうか。
誤魔化しの効かない無地ライクな生地は
上質素材に限るわけだ。
程よく沈んだインクブルーの色目が思慮深い男を演出してくれる
落ち着いた印象の一着です。
お待たせしました。
M様 CANONICO <Italy> S110’S
こちらもスーツの定番素材、カノニコのヘリンボーン柄、
日本では杉綾織りの枯れたインクブルーの仕立て上がりでございます。
見た目通りにナチュラルなプロポーションのごく普通のスーツ、
これが国際舞台で通用するクラシックスーツである。
礼節を重んじ、なお且つ自分が何者であるかを発信する
流行に捉われないスーツのことである。
着心地のよいスーツであることも付け加えておこう。
お待たせしました。
T様 CANONICO <Italy> S110’S
こちらもスーツの定番素材、カノニコのネイビーのチョークストライプ、
ヨーロッパではフォーシーズン着用できる汎用性の高さ、
ここ日本では秋から春までが限界ではございますが、
コスパにも優れた実力派の完成です。
奇を衒うことを避けあちこちに余分な手を加えないテーラードスーツ、
現代の紳士に相応しい仕立て上がりといえましょう。
普通にカッコいいがキーワードでございます。
お待たせしました。
S様 COMERO <Italy> W100%
弊店オリジナルバンチよりお選びいただいた
カバート・クロスのような打ち込みのしっかりとした生地、
チャコールグレーのこちらも定番素材といえましょう。
S様の戦略はスーツをジャケット使い出来るようにと
2パッチポケット、ダブルステッチのディテールで格上げ、
ごりっとした素材を生かしてのオーダー、確信犯でございます。
軽快な一枚芯の仕様で着心地も抜群、
モノトーンのグラデーションで使い分けてください。
お待たせしました。
U様 CANONICO <Italy> S110’S
きもちヴィンテージ調といえましょうか、ピンヘッド、
カノニコのフォーシーズン素材PERENNIALでもって
クラシックな柄感のネイビースーツの仕立て上がりでございます。
軽やかで丸みを帯びたフォルムと
深みのあるヴィンテージ調の生地の合体、
知的で男らしい印象を醸し出しますです。
遠目に無地なクラシック柄は弊店的には旬かもです。
お待たせしました。
T様 GRAN・TORINO <Italy> S110’S
ミディアムグレーのピンストライプ、限りなく控えめなストライプ
コスパに優れたイタリアのラニフィーチョ・プーロ社のグラン・トリノと
クリント・イーストウッドの映画と同じブランド名なんだけど、
生地は秀逸でございます。
毛足のないサージの質感は優しくもエレガントな印象で、
やはり遠目に無地に見えるがキーワード、
流行に左右されない正統派の完成です。
お待たせしました。
Y様 E・THOMAS <Italy> S130’S
弊店オリジナルバンチよりお選びいただいたイー・トーマスのサキソニー素材、
遠目に無地に見えるグレンプレイド柄、
いわゆるシャドーチェックの仕立て上がりです。
控えめな柄感ゆえ、むしろ洒落感がジワジワと伝わってくるいぶし銀、
昨年よりの布教活動が実を結びました、合掌です。
一枚芯の軽快な仕様でジャケット使いも視野に入れた一着、
誠実且つ洗練された印象のネイビーチェックを着廻してください。
お待たせしました。
O様 FINTES <Italy> PLATINUM S130’S
PLATINUMの名前通りにスーパー130’Sの上質感、
ツヤといい風合いといい高級感が漂う仕立て上がりです。
ダークネイビーのピンストライプ、
こちらも定番といえる柄感ではございますが、
それなりに凝った織り感が凛とした表情を生む
モダンな印象の一着でしょうか。
とりあえず、長い期間着用出来るヘビーローテーション、
ビジネススーツに求められる普通のスーツ、
スーツが目立ち過ぎないことも大事ですよね。
お待たせしました。
以上、本日の仕立て上がり。
いつもご愛顧いただき誠にありがとうございます。