その日はネイビージャケットにミディアムグレーのパンツ、
ブルーのスプレッドカラーのシャツにストライプのネクタイと至って普通の格好で、
強いていえばコットンのフェアアイル柄のベストが
ちょっとした着こなしのアクセントにはなっていたとは思う。
とはいえ、気持ちよれたコートは脱がずにいたんで、
比較的地味な中年のオヤジにしか見えなかったはずなんだけど、
たまに立ち寄るバーでたまたま隣の席に連絡先すら知らない程度の知り合いがいて、
当然ちょっと挨拶程度に話をしたんだけど、
何かの拍子にK玉自身のことが話題となり、
ぼそっと呟くように言われた言葉が、
「なんか線が違うんですよね。線が残る感じなんですよー。」っと。。。
← コートを脱がないのはさっと帰りますよの意思表示であります。
まあ、挨拶程度の話だし、1~2杯飲んでさらっと帰ったんで
あまり深くも考えずにいたんだけど、数日経ってもその言葉が頭から離れず、
2~3日で忘れてしまうようなことなら悩みだとか懸案でもなんでもないんだろうけど、
10日くらい経ってもその言葉の真意っていうか、
どういう意味だったんだろうか?っと思い起こしてしまうK玉ですが、
皆さんいかがお過ごしでしょうか?
ホントどうでもいい話なんだろうけど、
「線」って言葉はK玉的には「ライン」っていうか、洋服の型や輪郭にもとれるし、
苦手なパソコン、エクセルなんかで「ラインが消えないんです!」みたいな線にも聞こえるし、
自意識過剰なんだろうけど、「線が違う、線が残る感じなんですよ。」の一言を
引きずってしまっているわけだ。
いい意味に解釈するとっていうか解釈してしまうと、
洋服のラインもキレイだし、パッと見た時の姿が残る感じ、
残像的な目に留まるってことだとすると、ウエルカム、
この仕事をしてきた甲斐があるというものだ。
片や線が消えない的な後味の悪さとでも言いましょうか、
イラッとする、出来れば視界からいなくなってよ、ゴメン、みたいなことを丁寧に、
京都の人みたいな都からの上から目線な使い方だったとすると、
出来ることなら人と諍いを起こしたくないK玉としては、
反省すべきは反省するんだけど、もうこれは生理的な問題であり
手の打ちようがない話となるわけだ。
← 消しても消しても消えない線って、どうよ。(涙)
そんな感じでホントは悶々って程でもないんだけど、
数ヶ月後にでもお会いすることでもあれば、
あの時の「線の話」は何だったんですかと尋ねてみたい気もしますが、
多分おそらく、覚えてないんだろうな。。。
とりあえず男の装いにおいて、派手なネクタイだったとか、
どこそこのブランド物だったなんて印象ではなく、
何となく目に留まる、あるいは姿が残る的な着こなしができればと
日々精進していきたいものである。
おまけ: 本日の仕立て上がり~春靴!
神奈川のK様 LAST 2021 タバコスウェード
ベルベット状に起毛させた革の総称、スウェード。
上品な顔つきながらカジュアルから軽目のスーツまでいける便利なヤツです。
この明るめのタバコスウェードの季節がやってまいりました。
インナーのオレンジなライニングが気持ち華ある一足となる。
さっそく送りますです。
以上、本日の仕立て上がり~靴編。
いつもご愛顧いただき誠にありがとうございます。